プロ野球からアマチュア野球まで、野球を縦横無尽に語ろう

笠原 大芽

2012年7月11日(水曜日)くもりのち雨、時々豪雨 大牟田延命球場

福岡県大会

沖学園3-2福岡工大城東

 今回、福岡、佐賀にやって来たのは2人の投手を見たかったからだ。1人は東福岡の超高校級左腕・森雄大、そしてもう1人は、ここで紹介する福岡工大城東の超高校級左腕・笠原大芽(3年・左投右打・185㌢/77㌔)。

 スポーツ紙・誌の2人の取り上げ方を読みくらべると温度差があるのがわかる。森は掛け値なしの超高校級でドラフト1位は間違いなし。そして笠原は単に「上位指名候補」と紹介されることが多い。このことを知り合いのスカウト氏に話すと、「笠原は5月頃、調子が落ちていたんですよ。その頃の姿が記事に反映されているんじゃないですか」と言われ納得できた。

 笠原のピッチングを見て、森ほど評価が上がらない理由がもう1つあると思った。投球フォームが窮屈なのだ。具体的に言うと、バックスイングからテークバックに移るとき、ヒジをすぐたたんでしまう。利き腕が背中のほうまで入るのは問題だが、少し入るくらいなら許容範囲である。それくらい大らかに腕を振ってもらいたいと思った。

 それ以外は文句ない。開かない右肩と、右側面から打者に向かっていくフォームがボールの出どころを見えづらくし、137、8キロのストレートを5キロ増しくらいに見せている。そして笠原を笠原たらしめているのが真縦に落下してくるカーブとスライダー。これはまさに「超高校級」という形容がぴったりの球である。

 プロで似ている選手は誰かなと思い浮かんだのが、DeNAの眞下貴之である。真上から投げ下ろされるストレートの角度、そして変化球のみごとな縦変化……等々。眞下のストレートがもう少し力強さを増せば、笠原になれるのにと、いつの間にかくらべるものとくらべられるものが逆転していることに気づく。

 カーブ、スライダー以外ではチェンジアップとフォークボールがありそうだ。2回の8番山田康平、5回の1番篠崎亮輔から奪った空振りの三振はチェンジアップ、3回の3番山下雄太から奪った空振りの三振はフォークボールに見えた。このへんは本人に聞かないとわからないだろう。

 これらの変化球を効果的に見せて2~3回には6連続三振、そして5回には3者三振を奪っている。それほど集中して三振を奪っているのに8回投げて奪三振11個は多くない。実は足元が非常に悪かった。8回には滝のような激しい雨がグラウンドに叩きつけ、それまでも雨が降り続いてグラウンドコンディションは最悪。そういうハンディを背負いながらこういうピッチングを演じたことをむしろ評価したい。

 打たれたヒットは3本で、いずれもストレートである。沖学園の前田浩一監督は試合後、「あのスライダー、カーブは(見逃しの)三振してもいいから振るなと指示しました。見逃せばボールですから、真ん中周辺のストレートだけ狙わせました。雨が降るとピッチャーはどうしてもストレートが多くなりますからね」と、してやったりの表情だ。

 福岡工大城東の山本宗一監督は「笠原は悪くなかった。カウントを悪くしてからのストレートを打たれたのが敗因。スコアリングポジションでこっちは1本、向うは3本ですから。そこが分かれ目でした」と、振り返った。



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