プロ野球からアマチュア野球まで、野球を縦横無尽に語ろう

球団選択の自由と、球団の繁栄

球団選択の自由と、球団の繁栄

 日本ハムからドラフト1位指名された菅野智之(東海大)投手が入団を拒否するようだ。伯父さんが監督を務める巨人への入団を熱望していたことはよく知られている。その気持ちが変わらなかったのだろう。この機会に、「新人選手の球団選択の自由と、球団の繁栄」という問題について考えてみた。

 プロ野球のドラフト1位で入団する選手には1億円前後の契約金が支払われる。他のプロスポーツではあり得ない高いお金が支払われるのは、プロ野球が繁栄しているからに他ならない。大相撲、ボクシング、プロレス、サッカー(Jリーグ)のように、自由競争で新人獲りを争っても、1億円という金額は出てこない。

 菅野が入団を熱望する巨人1球団だけでは、いくら優れた選手が多く在籍していても繁栄しない。巨人に対抗する球団がいて初めてプロ野球は見る者の心を揺さぶるエンターテイメントとして成立する。セ・パ両リーグ、12球団による覇権争いのシステム(12球団に強打者&エース候補が等しく分配されるシステム)が確立されて初めて、プロ野球はファンの支持を得、盤石な組織となってプロスポーツの王道を歩んでいけるはずだ。菅野の日本ハムへの入団拒絶は、日本ハムの繁栄を否定する行為と言われても仕方ないだろう。

 菅野に志望する球団に入る権利があるのと同様、球団には繁栄する権利がある。選手の志望球団への入団は「最短7年で希望する入団に移籍できる」FA(フリーエージェント)によって確保されているのに対し、球団の繁栄については保護規定がない。自己責任とか企業努力という言葉があるだけである。

 ちなみに、FA制度の権利取得年数は「9~10年」からスタートして「8年」→「7年」と徐々に短くなっている。そのつど選手会がNPB(日本野球機構)と協議して勝ち取った年数だ。

 「俺はそんなまどろっこしい制度なんか利用しないで、1年待って行きたいところに行くよ」と言わんばかりの菅野の日本ハム入団拒絶は、選手会のそういう努力をも否定する行為と言えないだろうか。選手会は、こういうときこそ菅野に対し苦言を呈するべきだと思う。

 選手の「希望球団に入りたい」権利を認めたのだから、今度は球団の繁栄する権利を認めてくれ、と球団側は言いたいはずだ。せめて、「プロ志望届」を提出したアマチュア選手は、入団を拒否できない――そういう制度にするべきだろう。

powered by Quick Homepage Maker 4.81
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional

UA-28613913-1