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横浜DeNAベイスターズを指揮する難しさ

横浜DeNAベイスターズを指揮する難しさ

 約4カ月前に発行された『週刊ベースボール 9・12号』(8月31日発行)に、「いまの打線にモノ申す!」というタイトルがつけられた対談が掲載されている。発言者は掛布雅之氏(元阪神)と、横浜DeNAベイスターズ(以下横浜)の監督に就任したばかりの中畑清氏(元巨人)。この中で中畑氏はこういうことを話している。

 「一番、二番の役割、下位の役割を選手が自覚しているチームが最も強いんだよね。そういう意味では、V9のころの巨人は、ONを中心に、俊足の柴田(勲)さんが一番、巧打の土井(正三)さんが二番……といったように、バランスの取れた打線だった。ドジャース戦法を取り入れ、ブロックサインを使ったりするつなぐ野球で、一番から九番まで、意図的に組まれていたよな」

 中畑氏は1954(昭和29)年1月生まれで、巨人のV9を最も多感な小学校6年から大学2年まで見ている。元巨人選手ということもあり、V9は「野球人としての骨格」と言っていいほど、中畑氏の基本に位置づけられているはずだ。

 このV9的発想で来季の横浜打線を組むとどうなるのか。

打順スタメン予想守備の控え
1石川雄洋(遊撃手)山崎憲晴
2渡辺直人(二塁手)藤田一也
3筒香嘉智(三塁手)内藤雄太
4ラミレス(左翼手)金城龍彦
5下園辰哉(右翼手)荒波 翔
6吉村裕基(中堅手)松本啓二朗(小池正晃)
7後藤武敏(一塁手)
8黒羽根利規(捕手)細山田武史(鶴岡一成)
9―― (投手)

 ここで重要なのは、3番に高校卒3年目を迎える筒香を持ってこられるか、ということ。平凡な指揮官だと、3番に来日するであろう新外国人を当て込んで、キャンプ、オープン戦を戦うが、そうなると筒香は5、6番に打順を下げて序盤戦を戦うことになる。つまり、中心打者としての自覚が遅れる。

 V9巨人の強さは、各打者の役割分担が徹底されていたため、というのは認めるが、王貞治、長嶋茂雄という、時代を代表する強打者が2人揃っていたことが見逃せない。つまり、中畑監督が横浜をV9巨人に近づけようと思うならば、素質豊かな筒香を、少なくともリーグを代表する強打者に育て上げることが重要である。

 そのためには、結果が出なくても責任ある打順で起用し続けることが必要だろう。それができるかどうか、新監督にその覚悟があるかどうか、注意深く見守っていこうと思う。

 また「各打者の役割分担」も、横浜の場合、難しい。力の接近した選手が多く、レギュラーが決まらないままシーズンを終える公算が大きいからだ。

 二塁を争う渡辺直人と藤田一也、鶴岡一成が巨人から移籍した場合の黒羽根利規との正捕手争い、さらにラミレスを除く外野は金城龍彦、下園辰哉、森本稀哲、荒波翔、吉村裕基、松本啓二朗に移籍が噂される小池正晃と選手が溢れている。

 監督の力量云々以前に、偏ったポジションに過剰に選手を送り込むフロントに問題がないのか。12球団で最も脆弱な投手陣をカバーしなければならない野手補強の計画性のなさを見るにつけ、横浜の問題を考えないわけにはいかないのだ。

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