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日本体育大対奈良産業大

2011年6月8日(水曜日) 晴れ 神宮球場

全日本大学野球選手権

日本体育大-奈良産業大

首都大学リーグは菅野智之だけではない!という意地

 辻 孟彦(4年・投手・右右・182㌢/86㌔・京都外大西→日本体育大)は、京都外大西3年だった07年夏、甲子園大会に出場している。成績は3回戦の長崎日大戦に4回3分の1を投げ(2度に分けて登板している)、5安打、2失点という記録が残っている。

 観戦ノートには「始動で上げた左足が回り込んでねじれが生まれ、そのねじり返しで投げる。スリークォーター、左肩の開きが早い。本格的な投手という感じがしない。それでも素材のよさは感じる。球筋のよさとボールの強さ、伸びもいい。育成能力のある大学、社会人へ行けば一変する」(確認できたストレートの最速は141キロ、クイックは1.28と1.40秒)。

 この辻が現在はヒジの位置がさらに下がり、サイドハンドに近くなっている。

 春のリーグ戦はドラフト1位候補・菅野智之を擁する東海大を2勝1敗で破り、これが決め手となってリーグ優勝を果たすのだが、この3試合すべてに登板し、次のような記録を残している。

4/24東海大3-0日体大……6回、7安打、2自責(3失点)
4/25日体大4-0東海大……9回、3安打、完封
4/26日体大1-0東海大……9回、5安打、完封

 まさに鉄腕と言っていい。春1シーズンでは新記録となる10勝(3敗)を挙げ、防御率1.35はリーグ3位、さらに驚くべきは「93回3分の1」のイニング数である。
 
 東浜巨(亜大)70回3分の1、小室正人(立大)66回3分の2という各リーグの主要投手とくらべると、辻のタフネスぶりは際立つ(東海大の菅野智之は64回)。最高殊勲選手、ベストナイン受賞は当然と言っていい。

 しかし、5月21日に見た筑波大戦のピッチングはよくなかった。ストレートが右打者の内角高め方向に抜けるのだ。この試合に勝てば完全優勝へ王手、というプレッシャーがあったのかもしれない。4回3分の1を投げて3失点を喫すると早々と降板、チームも3対6で敗れてしまった。

 翌22日を3対0で完封(シーズン5完封はリーグ新記録)、23日を3失点で完投して優勝を決めても、私の中では21日の不甲斐なさが刻み込まれ、「ドラフト候補」と確信を持って言うことができなくなっていた。
 
 そして、この大学選手権の奈良産業大戦である。これが“抜け癖”にてんてこ舞いし、4回3分の1で降板した男と同一人物かと思った。

 ストレートが右、左打者に限らず外角低めにピタリと決まり、最速は147キロ。神宮球場のスピードガン表示なので割り引いて考えなければならないが、キレのよさはスタンドからでもよくわかった。

 横変化のスライダー、真縦に落ちるチェンジアップがあり、数少ない内角いっぱいのコースにこのチェンジアップを配し、外角主体のピッチングに奥行きを与えている。

 第1試合で期待していた中根佑二(東北福祉大)と浦野博司(愛知学院大)が本調子でなくがっかりしたが、そのあとに出てきた山形晃平(慶大2年・右左・176㌢/77㌔)、福谷浩司(慶大3年・右右・183㌢/90㌔)、真島健(東京国際大2年・右右・178㌢/78㌔)、伊藤和雄(東京国際大4年・右右・184㌢/82㌔)が期待以上のピッチングで、1日4試合の強行軍も苦にならなかった。こういう日は、何だかとても嬉しい。
 

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