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日本ハム対ソフトバンク

2013年6月26日(水曜日) 東京ドーム

日本ハム6‐5ソフトバンク

投手・大谷翔平を蘇生させたカーブ

 大谷翔平が先発して6回を投げ、被安打4、奪三振5、与四球2、与死球1、失点3という見事なピッチングを見せた。TVで試合を見ていた妻が「よくなかったみたいだね」と言ったのは、解説者がカーブ、スライダーを多投する大谷に対して「志が低い」という意味の批評をしたためだが、私は逆にカーブを使って緩急のパターンを作り上げた大谷が大きく成長した試合だと思った。

 1回、3番内川聖一に152キロのど真ん中ストレートをバックスクリーンに放り込まれ、2回には長谷川勇也に144キロのストレートをレフトスタンドに放り込まれる。ここまではこれまでの大谷の姿で、私はラジオで“観賞用”と言った。「上背があって投球フォームが美しく、ボールが速く、三振が取れる」いわゆるマスコミ受けする本格派だが、大事なところで勝ち切れない。高校時代から続く、大谷の大きな弱点である。

 ソフトバンクのストレート狙いがわかったのか、3回からピッチングがガラッと変った。スライダー、カーブを多投し、緩急を使い始めたのだ。これを「志が低い」と言っては、プロ野球史上の名投手はすべて志が低いことになる。金田正一(元国鉄など)や堀内恒夫(元巨人)はカーブをこれでもかというくらい投げ、勝負どころで目の覚めるような快速球を投じて打者を打ち取った。先日亡くなった尾崎行雄(元東映)も時折投げるションベンカーブが魔球に見えた。これすべて、直曲球が交わることによって生まれる緩急の妙である。

 大谷でとくによかったのはカーブだ。103~107キロで縦に大きく割れるボールで、ストレート狙いの打者は待ち切れない。6回無死一、二塁の場面で打席に立った内川は、103キロカーブ(ボール)→121キロ縦スライダー(ファール)→125キロ縦スライダー(見逃し)→内角150キロストレート(ファール)と攻められ、5球目の106キロカーブを引っ掛けて三塁ゴロ併殺(5-4-3)に倒れた。

 続く2死三塁の場面で打席に入った松田宣浩にカーブを左前に打たれたのは、この球が111キロと比較的速く、速い分変化が縦にならず斜めになったためだろう。103~107キロの縦割れカーブならヒットにできなかったと思う。

 この日のピッチングで大谷は打者を打ち取るコツをつかんだ。序盤で緩急をたっぷり使えば中盤からストレートを主体にしたピッチングが可能になり、ファンが喜ぶスケールアップした姿だってアピールできる。次の先発試合ではそういう姿を期待したい。

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