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健大高崎-利府

2014年8月18日(月曜日) 甲子園球場

第96回全国高校野球選手権大会 2回戦

健大高崎10-0利府

 観戦ノートの「健大高崎・脇本直人」(右翼手・右左・180㌢/80㌔)の名前の横に、私にとっての最高評価「☆」印をつけた試合だ。4打数3安打といっても、二塁安打、右二塁打、一ゴロ、四球、中前打という内容は目を奪うものではないが、さらに深く見ていくと脇本の非凡さがよくわかる。

 第1打席の内野安打の直後に二盗を成功させ、このときの二盗に要したタイムが私のストップウォッチで3.17秒。三盗はさらにリードが大きくなり、動き始めから三塁ベースタッチまでは3.08秒。

 盗塁に要するタイムは10年近く前、阪神スカウト(当時)の永尾泰憲さんから「プロは3.2秒が最速」と教えられたが、その後計測を重ねていくたびに速くなり、リードの大きさによっては3.0秒台も可能なことがわかっていた。しかし、二盗で3.17秒、三盗で3.08秒というのはプロでも出すのが難しいタイム。

 第2打席はライトの頭を越える二塁打。実はこのとき右から左へかなり強い風が吹いていた。甲子園の風を読むことは難しく、右から左の強い風のときも右中間のバックスクリーン寄りの打球は伸びることがある。しかし、このときはライトへの打球だから「伸びる」ことは考えられない。単純に「逆風を突く右越えの二塁打」と言っていいと思う。

 6回には四球で歩いてすぐ二盗。このときに要したタイムが3.11秒。脇本が塁に出ると盗塁があると思うので、脇本の動きから私は目を離さない。そういう人間が3.17秒、3.08秒、3.11秒を計測しているのである。尋常でないランナーだと認識してほしい。

 なお、脇本を始動もステップもないノーステップ打法に特徴がある。反動をまったく使えない窮屈さはあるが、体重移動の動きを入れないことによって打つときのブレを防ぐというメリットはある。この打法が功を奏しているわけだが、5/3の春季群馬大会、樹徳戦で見たときは小さい動きだが、始動もステップも普通の動きをしていた。わずか3カ月で打ち方を大きく変え、それでも上々の結果を出す。スカウトの評価は私ほど高くないようだが、私はこの選手が3、4位でプロ入りするとはどうしても思えない。

 プロ側のマイナス評価の一因となっているのが「強くない肩」。弱肩とは違う。極めて普通の肩なのだ。しかし脚力を生かした広い守備範囲、そして投げるときのフォームはいいので、プロ入り後「そこそこの強肩」くらいまでは肩が強化されると思っている。プロがどう評価するのか、今から楽しみである。

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