プロ野球からアマチュア野球まで、野球を縦横無尽に語ろう

井納 翔一

2012年4月25日(水曜日)小雨 横浜スタジアム

関東選抜リーグ

NTT東日本5-4富士重工業

 頭と顔を日射から守る帽子を忘れ、つらい暑さの中での観戦となった社会人の関東選抜リーグは、試合としての面白さより、個人技を見る面白さのほうが際立っていた。

 このNTT東日本対富士重工業戦で目立ったのは、井納翔一(NTT東日本・投手・26歳・右投右打・188㌢/84㌔)である。2年前から注目していたが、スカウトが興味を示さなかったのか、本人がプロ志望でなかったのか、指名されていない。しかし、この日のピッチングを見れば実力は既にプロ級だとわかる。

 まず驚くのはマウンドからホームまでの距離(18.44メートル)が短く見えることだ。球が速いこともあるが、腕を振ってからあっという間にボールがキャッチャーミットの中に収まっている印象がある。
 

 この日の最速は147キロ。横浜スタジアムのガン表示は速く出るので、-3キロと思ったほうがいい。それでも速く見え、18.44メートルが短く見えるのは、左肩の早い開きがないのに加えて、真上から腕の振りと左側面から打者に向かっていくフォームのためである。打者は、188センチ、84キロの巨体が一気に視界に迫ってくるような錯覚を覚えるのではないか。

 変化球は120キロ程度の縦・横2種類のスライダーがあり、135キロ程度でベースをよぎるのはカットボールだろう。どちらもいいボールだが、三振を取れるのはカットボールのほう。そしてそれよりもいいのがストレート。内・外を突くコントロールがあり、三塁側のプレートを踏んで投じられる右打者のアウトローは横の角度がもの凄く、攻略は困難を極める。

 関東選抜リーグが公式戦と言うより、エキシビションに近い戦いなのでノーヒットノーラン続行中の3回限りでマウンドを降りているが、もし都市対抗予選のような真剣勝負だったらどこまでノーヒットが続くか見ものだった。


2012年7月21日(土曜日) 東京ドーム

都市対抗

NTT東日本7-2トヨタ自動車

井納翔一(NTT東日本)につけたい注文

 2回までの攻防で試合が決まった。トヨタ自動車自慢の若手本格派右腕、祖父江大輔(25歳・右投左打)、川尻一旗(25歳・右投右打)、上杉芳貴(24歳・右投右打)がことごとく打ち込まれ、7点を失ってしまったのだ。これでNTT東日本の先発、井納翔一(26歳・右投右打)は楽に投げられた。

 ストレートの最速は146キロと目をむくほどの速さではないが、コンスタントに145キロ台中盤を計測し、打者手元での伸びも十分。さらにカットボール、縦・横2種類のスライダー、カーブ、チェンジアップを効果的に織り交ぜ、付け入るスキを見せなかった。

 3回に縦系の変化球が狙われると4回にはそれまであまり投げなかった横変化のスライダーを多投して、というように、捕手・上田祐介(29歳・右投右打)のリードも冴えたが、注文をつけたいのは続け球の配球。3回の初失点は2球続いた外角ストレートを秦健悟に打たれたもの。得点にならなかったが、7回には吉田承太に117、8キロのカーブを2球続けて左前打を打たれている。

 NTT東日本バッテリーは緩急・内外の出し入れの鉄則を破ることによって打者の裏をかこうとしたのかもしれないが、打者はそこまで考えていない、とは往年の名捕手・伊東勤氏(元西武)から聞いた言葉である。これは主に上田の問題だが、井納も危ないと思えばボールゾーンに逃がすなど、自分で判断する習慣をつけないと大きなケガをする。



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