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''寺島 成輝''

2015年7月19日(日)舞洲ベースボールスタジアム

大阪大会

大阪桐蔭-履正社

 シード制がない大阪大会ならではの1回戦の好カードとあって舞洲ベースボールスタジアムには収容人数1万人以上の観客が押し寄せ、入れなかったファンがスタジアムの周囲を取り囲むという異常事態が発生した。岡田龍生・履正社監督は試合後、「こんなに人が入ったのは初めて見た」と言い、「シード制を取り入れない大阪大会の弊害では」と聞く記者の質問には、「これが大阪、ザ・大阪だ」と笑い飛ばした。

 大阪桐蔭が田中誠也(当時3年)、履正社が背番号11の寺島成輝(当時2年)の先発で幕を開けた試合は、履正社が2回裏に寺島のタイムリーで先制すると、3回表に大阪桐蔭がタイムリーエラーで逆転し、7、9回にも加点するという理想的な試合展開で逃げ切った。

 この試合で私が注目したのは履正社が寺島で最後まで押し通したことだ。履正社には甲子園で活躍した背番号1の溝田悠人、背番号10の永谷暢章(ともに当時3年)というプロ注目の右腕がいた。それでも岡田監督は「代えるつもりはなかった。代える内容ではなかったので」と言い切り、対する大阪桐蔭の西谷浩一監督も「(先発は)寺島しか考えていなかった」と言い、見逃しの少ない好球必打を指摘すると「(寺島が)いい投手なので、それしかないでしょ」と笑った。

 高校球界を代表する名監督2人に信頼され、いい投手だと太鼓判を押される寺島のよさとは最速148キロのストレートだけが突出していないところだ。ストレートと同じ腕の振りでスライダー、フォークボールを投げ分け、不用意にボールが抜けることがない。躍動感のある投球フォームには不必要な体重の後ろ残りがなく、投げに行くとき上体が気持ちよく前に乗っていくのでストレートは打者近くでひと伸びするような勢いがあり、スピードガン表示以上の速さに打者は戸惑う。

 5失点されたが3回の2失点は二塁手のエラー、7回の1失点はバント処理を焦った自らの送球エラーによるもので、打たれての失点は9回の2点だけ。全国でも屈指の攻撃力を誇る大阪桐蔭を最後まで苦しめたピッチングはドラフト1位候補の名に恥じないものだった。ちなみに、奪った7三振はすべて空振り。一度は甲子園の舞台に立ってもらいたい逸材である。

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