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甲子園大会を観戦して

 甲子園大会で私が計測した各種ストップウォッチ計測タイムと甲子園球場のスピードガンが掲示した投手の球速140キロ以上を掲載しました。

 俊足というと小園海斗(報徳学園3年)、藤原恭大、根尾昂(ともに大阪桐蔭3年)を思い浮かべる人が多いと思いますが、私の中でナンバーワンは松本渉(龍谷大平安3年)。バントがファールになった場面では何と3.50秒で一塁に到達していました。また藤原は14.70秒でベース1周(ヒット+右翼手失策)していますが、このタイムを計測したのはスポーツライターの西尾典文さんです。私は一塁到達の時点でストップボタンを押してしまいました(悔しい!)。西尾さんもどこかで発表していると思いますので探してください。

 キャッチャーの二塁送球は私が計測しただけでもイニング間で25人(25校)が強肩の基準タイム(2秒未満)をクリアし、13人(13校)が実戦で2.05秒未満をクリアしました。詳しく調べていませんが、キャッチャーが連日2秒未満を計測する大会を見たのは初めてだと思います。

 またピッチャーの140キロ超えは58人を数えました。松坂大輔(横浜)が大活躍した1998年、140キロ超えは7人しかいなかった(雑誌『報知高校野球』より)ことを思えば隔世の感すら覚えます。日大三などは140キロ超えが4人いました。これは「1人エース」で大会を乗り切るのではなく、複数の好投手でしのぐ未来の戦い方を示唆していると私は思います。


2018年7月10日、岩手県大会2回戦で見せた佐々木朗希の衝撃

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大船渡10200000811
盛岡三0100100002

バッテリー 大船渡 佐々木朗希-熊谷南海
      盛岡三 西舘洸希、岩渕航大―遠藤凛

佐々木朗希の全球 S=ストライク B=ボール

1回裏16球(ストレート11、変化球4、不明1) ストレートの平均球速150.5キロ
1番   齋藤英伴①ストレート153キロ(B)②ストレート153キロ(B)③ストレート150キロ(B)④ストレート149キロ→四球
2番   山﨑航太①ストレート146キロ(S)②チェンジアップ119キロ→バント
3番   西舘洸希①ストレート149キロ(B 暴投)②ストレート151キロ(S)③スライダー④ストレート152キロ⑤スライダー129キロ→空振り三振       
4番   川原田太一①スライダー(S)②?(B)③ストレート149キロ(B)④ストレート152キロ(B)⑤ストレート151キロ→左飛           
2回裏28球(ストレート17、変化球11) ストレートの平均球速151キロ
5番   佐々木莉己①ストレート148キロ(B)②ストレート150キロ(S)③スライダー127キロ→右中間ホームラン(小学校以来の野球人生で初の被弾)
6番   小島奎人①ストレート152キロ(S)②ストレート152キロ(B)③ストレート154キロ(B)④ストレート154キロ(B)⑤ストレート146キロ(S)⑥スライダー133キロ→四球
7番   遠藤 凛①ストレート148キロ(B)②ストレート149キロ(S)③スライダー126キロ(B)④スライダー(バント空振り)⑤ストレート152キロ(B)⑥ストレート152キロ→見逃し三振
8番   佐々木瑠以①スライダー(S)②スライダー131キロ③ストレート150キロ(バントファール)④ストレート153キロ(B)⑤スライダー129キロ(ファール)⑤ストレート150キロ(ファール)⑥フォークボール133キロ→空振り三振
9番   遠藤大輔①ストレート152キロ(S)②スライダー129キロ(空振り)③ストレート152キロ(B)④スライダー129キロ(ファール)⑤ストレート153キロ(B)⑥フォークボール131キロ→空振り三振
3回裏22球(ストレート16、変化球6)ストレートの平均球速148.8キロ
1番   齋藤英伴①ストレート149キロ(S)②スライダー129キロ(S)③ストレート152キロ→空振り三振
2番   山﨑航太①ストレート148キロ(B)②ストレート145キロ→二塁ゴロ
3番   西舘洸希①ストレート151キロ(空振り)②ストレート152キロ(B)③スライダー129キロ(空振り)④ストレート152キロ(B)⑤スライダー129キロ⑥ストレート153キロ→四球
4番   川原田太一①ストレート147キロ→右前打
5番   佐々木莉己①ストレート147キロ(B)②ストレート148キロ(B)③ストレート147キロ(B)④ストレート149キロ(S)⑤ストレート145キロ→四球
6番   小島奎人①スライダー128キロ(B)②スライダー122キロ(B)③ストレート146キロ(S)④ストレート150キロ(空振り)⑤フォークボール131キロ→空振り三振
4回裏13球(ストレート7、変化球6) ストレートの平均球速147.4キロ
7番   遠藤 凛①ストレート143キロ(S)②スライダー127キロ(空振り)③スライダー133キロ(B)④ストレート148キロ(ファール)⑤ストレート150キロ(B)⑥スライダー129キロ→見逃し三振
8番   佐々木瑠以①スライダー129キロ(B)②ストレート146キロ(B)③ストレート146キロ→中飛
9番   遠藤大輔①スライダー132キロ(B)②ストレート148キロ(ファール)③スライダー133キロ(B)④ストレート151キロ→二塁ゴロ
5回裏18球(ストレート13、変化球5) ストレートの平均球速148.4キロ
1番   齋藤英伴①ストレート148キロ→左越二塁打
2番   山﨑航太①ストレート146キロ(S)②スライダー130キロ(ファール)③ストレート148キロ(B)④フォークボール(B)⑤ストレート150キロ(B)⑥ストレート151キロ→見逃し三振
3番   西舘洸希①ストレート152キロ(B)②ストレート149キロ(S)③スライダー129キロ(バントファール)④ストレート149キロ(ファール)⑤スライダー129キロ→空振り三振
4番   川原田太一①ストレート150キロ(B)②ストレート146キロ→遊失(1失点)
5番   佐々木莉己①ストレート148キロ(B)②ストレート146キロ(S)③ストレート146キロ(S)④フォークボール133キロ→空振り三振
6回裏11球(ストレート9、変化球2) ストレートの平均球速145.5キロ
6番    小島奎人①ストレート144キロ→遊撃ゴロ
7番    遠藤 凛①ストレート147キロ(ファール)②ストレート(B)③スライダー128キロ(B)④ストレート146キロ→二飛
8番    佐々木瑠以①ストレート141キロ(S)②ストレート144キロ→中前打
9番代打 佐々木啓人①スライダー129キロ(B)②ストレート147キロ(S)③ストレート145キロ(空振り)④ストレート150キロ→三ゴロ
7回裏11球(ストレート10、変化球1) ストレートの平均球速145.4キロ
1番    齋藤英伴①ストレート146キロ(S)②ストレート143キロ→バント
2番    山﨑航太①ストレート144キロ(B)②ストレート143キロ→中飛
3番    西舘洸希①スライダー133キロ(B)②ストレート147キロ(空振り)③ストレート148キロ(B)④ストレート147キロ(B)⑤ストレート143キロ(S)⑥ストレート147キロ→四球
4番    川原田太一①ストレート146キロ→遊撃ゴロ
8回裏8球(ストレート7、変化球1) ストレートの平均球速147.9キロ
5番    佐々木莉己①ストレート148キロ(B)②ストレート150キロ→遊撃ゴロ
6番    小島奎人①ストレート148キロ(ファール)②ストレート148キロ→遊撃ゴロ
7番    遠藤 凛①ストレート143キロ(ファール)②ストレート150キロ(B)③ストレート148キロ(S)④フォークボール132キロ→空振り三振
9回裏15球(ストレート13、変化球2) ストレートの平均球速140.5キロ
8番    長濱谷翔伍①ストレート142キロ(空振り)②ストレート145キロ(B)③ストレート138キロ(ファール)④スライダー128キロ(B)⑤ストレート142キロ(B)⑥ストレート141キロ→四球
9番代打 水戸谷剛輝①ストレート142キロ(B)②ストレート136キロ(ファール)③ストレート142キロ(空振り)④スライダー122キロ(B)⑤ストレート142キロ(ファール)⑥ストレート144キロ→三塁ゴロ
1番    齋藤英伴①ストレート136キロ→遊失
2番    山﨑航太①ストレート138キロ(B)②ストレート139キロ→併殺打

※142球(ストレート102、変化球40球)ストレートの平均球速147.5キロ


試合後のコメント
 フォークボールを大会で投げたのはこの盛岡三戦が初めて。追い込むと相手打者がストレートに的を絞っているのがわかったのでフォークボールを多投したという。剛腕には珍しく左右打者に関係なくストレートで内角を攻める攻撃的ピッチングを展開。それを言うと、「そこ(内角)を攻めないと打者を打ち取れないと子どもの頃から言われてきたので」と返答。私は左耳がほとんど聞こえないのではっきり聞こえなかったが、「子どもの頃からお父さんに言われてきた」と聞こえた。


佐々木朗希の可能性
 これまで私が見てきた中で高校2年の段階ではナンバーワンの速球派と断言できる。松坂大輔(横浜)、ダルビッシュ有(東北)、田中将大(駒大苫小牧)、藤浪晋太郎(大阪桐蔭)はもちろん、大谷翔平(花巻東)の2年時とくらべても上。ストレートだけではない。スライダーはしっかり腕が振れ、フォークボールは落ち方が鋭いだけでなく、球持ちがよくバッター寄りでリリースしているので、ストレートよりさらに距離感が短く感じられる。左肩が開かず、下半身→上半身の体重移動も理想的。
 試合後、國保陽平監督に「142球投げたのは大丈夫ですか」と聞くと、「球数はリスクではない」とはっきり言われてびっくりした。アメリカでは投げ過ぎははっきり害があると言われ、日本でも首都大学リーグがリーグ戦での球数制限を実施している。私もどちらかと言えば國保監督と同様に、リスクは球数よりピッチングフォームにあると思っているが、それでも「球数にリスクはない」とは断言できない。類まれな逸材、佐々木朗希の将来のためにも球数には気を遣ってもらいたいと、これはお願いである。




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